最新記事
宗教の死生観を比較|6宗教の来世観
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、神道の死後観は、他界派と転生派の2系統に分けると一気に整理できます。比較宗教学を10年以上学び、教養書を執筆してきた立場から見ても、受講生が最初につまずくのは復活と輪廻転生の混同であり、この壁を最短で越えるには、まず大きな地図を手に入れるのが近道です。
通過儀礼を宗教別に比較|誕生・成人・結婚・死
通過儀礼は、誕生・成人・結婚・死という人生の節目で、古い地位を切り離し、新しい地位へ迎え入れるために行われる儀礼です。アルノルト・ファン・ヘネップが1909年に体系化したように、その骨格は「分離・過渡・統合」で、洗礼も成人式も結婚式も葬儀も同じリズムで動いています。
宗教と暴力の歴史を比較で読み解く
宗教と暴力は、単純な因果で割り切れない関係にあります。十字軍から三十年戦争、スペイン異端審問までを同じ一覧に並べると、同じ「宗教戦争」でも規模は桁違いで、通説の数字には誇張が混じることが見えてきます。編集部でも年代と死者数を整理し直したとき、その落差ははっきりしました。
シナゴーグとは|ユダヤ教の会堂をやさしく解説
シナゴーグは、ユダヤ教の会堂であり、ギリシャ語のシュナゴゲー(集会)とヘブライ語のベイト・クネセト(集会の家)に由来する呼び名を持つ施設です。比較宗教の入門講座では、教会とシナゴーグの違いが分からないという質問が最も多く、そこをほどく鍵になるのが、祈り・学び・集いの3機能を兼ねる場だという理解でしょう。
ラビとは|ユダヤ教の指導者の役割と資格
ラビは、ヘブライ語のラブ(rav=師)に由来し、「我が師」を意味するユダヤ教の宗教的指導者である。もっとも、その本質は牧師や神父のような聖職者ではなく、ハラハーを解釈し、人々に教える教師にある。 この理解は、紀元70年の第二神殿崩壊を押さえると一気に見通しやすくなります。
安息日とは|ユダヤ教シャバットの意味と過ごし方
安息日(シャバット)とは、ユダヤ教で週の第7日にあたる土曜日の聖なる休日であり、ヘブライ語の原義は「中断する・やめる・休む」です。金曜日の日没から土曜日の日没まで続くこの日には、単に仕事を休むだけでなく、一切の労働を止めて神と家族に立ち返るという意味が込められています。
カバラとは|ユダヤ教の神秘思想と生命の樹
カバラとは、ユダヤ教の神秘思想であり、ヘブライ語の動詞キッベール(受け取る・伝承する)に由来する「受け継がれた伝承」を意味します。占いやタロット、創作作品で知られる「セフィロトの樹」の背景には、律法を学ぶ顕教的なユダヤ教の裏側で、神と世界の隠れた構造を探ってきた秘教的な思想があるのです。
メノラーとは|七枝の燭台の意味と歴史
メノラーとは、ユダヤ教を代表する7枝の燭台であり、中央の軸から左右に3本ずつ枝が伸びる聖なる器具です。出エジプト記25章に遡るこの燭台は、モーセに純金での製作が命じられた神殿祭具として記され、7という数と結びついたユダヤ教最古級のシンボルになりました。
ディアスポラとは|ユダヤ教の離散の歴史と意味
ディアスポラとは、ギリシア語で「散らされた者」「散在」を意味し、本来はパレスチナ以外の地に住むユダヤ人を指す語です。七十人訳聖書に14回現れ、初出が申命記28章25節だと押さえると、この語がニュースや世界史でどう使われるかが一気に見えやすくなります。
トーラー(律法)とは|ユダヤ教の聖典を解説
トーラーとは、ユダヤ教で「教え」「指示」「手引き」を意味する聖典で、ヘブライ語原典では堅い掟集というより、人生全体を導く書として読まれてきました。中東宗教文化を研究する立場からヘブライ語の冒頭語ベレシートを目にしたとき、書名が内容の要約ではなく最初の単語そのものだと知って驚いた経験があります。
ヒンドゥー教の聖牛とは|なぜ牛は神聖なのか
ヒンドゥー教における聖牛は、雌牛を「ゴーマーター(母なる牛)」として神聖視する観念であり、その中心には神話的根拠、牛乳やギーの純粋性、そして母性という三つの柱があります。牛は単に食べるものではなく、命を育む存在として受け止められてきました。
マントラとは|ヒンドゥー教の聖なる言葉
マントラ(サンスクリット語 मन्त्र、漢訳「真言」)は、古代インドのヴェーダ聖典に由来する聖なる言葉である。語源には「心」を意味する manas と「守る・解放する」を意味する trāṇa を合わせたとする解釈があり、もともとは讃歌・祭詞・呪文を幅広く指していた。