最新記事

基礎知識

ヒンドゥー教は、ひとりの創始者が始めた宗教でも、一冊の教典に教えが集約された宗教でもありません。単一の中央組織を持たず、インド亜大陸で長い時間をかけて形づくられた、多様な伝統の総称として捉えると輪郭が見えてきます。

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教の神々は数が多く、最初はどこから見ればいいのか迷いますが、入口としてはトリムールティ、つまり創造のブラフマー、維持のヴィシュヌ、破壊と再生のシヴァという三つの働きで捉えると輪郭がつかめます。

基礎知識

大学の講義や公開講座で4身分がそのまま現実のインド社会なのですかダリットは最下位のカーストですかとよく聞かれますが、この二つの問いをほどくところから始めると、カーストの見取り図はぐっと正確になります。

ヒンドゥー教

象の頭に人の身体、片方だけ残る牙、足元のネズミ――ガネーシャは、ヒンドゥー教で障害を取り除き、新しい始まりや学問、商いを見守る神として親しまれ、ガナパティヴィナーヤカの名でも呼ばれます。

ヒンドゥー教

シヴァはしばしば「破壊神」と紹介されますが、その一語だけでは複層的な性格を伝えきれません。ヒンドゥー教は世界で約11億人の信者を持つと推定され(末尾の出典参照)、地域や宗派によってシヴァの理解や礼拝形態は多様です。

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教で牛が神聖視される理由は、神話の一言では片づきません。母性や豊穣を託した象徴、アヒムサーと輪廻に支えられた倫理、そして乳・労働・燃料として暮らしを支えた生活経済という三つの層が、ヴェーダ期から中世、ことに4世紀のグプタ朝前後を節目に重なり合い、殺牛忌避と菜食を主流化させていった複合現象です。

ヒンドゥー教

スタジオで親しまれている現代のヨガは、古代インドの宗教思想と修行法の長い変化の先にある実践です。本稿では、ヨガの起源をインダス文明の印章にまでさかのぼらせる有力説を紹介しつつ、そこで断定は避け、確実な文献証拠が現れるヴェーダ・ウパニシャッド期以降からヨーガ(yoga)の輪郭を追います。

比較・コラム

同じインドで育った宗教でも、ヒンドゥー教と仏教は、輪廻(生死の繰り返し)やカルマ(行為の結果が後に返るという観念)といった共通の語彙を共有しますが、アートマン(真我)を認める立場と無我を説く立場という重要な分岐が存在します。

ヒンドゥー教

初年次の宗教学入門では、カルマを「罰」、ダルマを「身分に応じた義務」とだけ覚えてしまう学生が少なくありません。そこで本稿では、ダルマが「何をなすべきか」を示し、カルマが「その行為がどんな結果をもたらすか」を示すという関係図を最初に示します。これによって理解の軸がぐっと定まります。

比較・コラム

キリスト教とイスラム教は、ともにアブラハムの宗教に属する一神教ですが、神をどう理解するか、そしてイエスを誰とみなすかで大きく道筋が分かれます。世界史や倫理の学習ではここを一枚でつかめる比較表があると全体像が崩れず、授業や試験でも知識がつながります。

比較・コラム

ユダヤ教キリスト教イスラム教はひとまとめに「アブラハムの宗教」と呼ばれますが、信じる神の理解、預言者の位置づけ、聖典の読み方、祈りや食の実践は同じではありません。

基礎知識

コーシャは「食べてよい食品そのもの」ではなく、ユダヤ教の食事規定全体であるカシュルートに適合した状態を指す言葉です。この違いが見えるだけで、豚肉や甲殻類の可否、血の禁止、肉と乳を分ける理由、認証マークの意味まで一本の線でつながります。